干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
美琴は、屋上のフェンスの前で立ち止まる俊介の隣にそっと立つ。
今日の屋上は風が強く、時折身体が強く煽られた。
美琴は抱えていたバケツを地面に置くと、手すりに手をかける。
俊介は前を向いたまま、美琴の右手を包むように自分の左手を重ねそっと力を込めた。
「美琴には、自分の口で説明すべきでした。まさかこんなに、噂が広がっているなんて知らなかった……」
俊介は、黙ったままの美琴の顔を振り向く。
「でも、僕はこの話を受ける気は……」
俊介がそこまで言ったところで、美琴は大きく首を振った。
「東さんが言ってました。世の中には抗えないものがあるって。副社長にいくらその気がなくても、周りは違う……」
美琴は一旦目を閉じて、自分の心に問いかける。
――ずっと副社長の味方でいるためには、どうしたらいい?
美琴は今まで、俊介から離れる事なんて考えたこともなかった。
そしてそれは俊介も一緒だろう。
――でも……。
二人の想いを貫いてしまったら、俊介が大切に思っているものが守れなくなるのではないか。
今日の屋上は風が強く、時折身体が強く煽られた。
美琴は抱えていたバケツを地面に置くと、手すりに手をかける。
俊介は前を向いたまま、美琴の右手を包むように自分の左手を重ねそっと力を込めた。
「美琴には、自分の口で説明すべきでした。まさかこんなに、噂が広がっているなんて知らなかった……」
俊介は、黙ったままの美琴の顔を振り向く。
「でも、僕はこの話を受ける気は……」
俊介がそこまで言ったところで、美琴は大きく首を振った。
「東さんが言ってました。世の中には抗えないものがあるって。副社長にいくらその気がなくても、周りは違う……」
美琴は一旦目を閉じて、自分の心に問いかける。
――ずっと副社長の味方でいるためには、どうしたらいい?
美琴は今まで、俊介から離れる事なんて考えたこともなかった。
そしてそれは俊介も一緒だろう。
――でも……。
二人の想いを貫いてしまったら、俊介が大切に思っているものが守れなくなるのではないか。