干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~

展示会まで一週間

 ランチから戻った美琴は、デスクのカレンダーを確認する。

 あれから一週間、俊介とは会っていない。


 ――展示会はもう来週だもん。そっちに集中しなきゃ……。


 美琴がキーボードに手をかけた時、デスクの内線が鳴った。


「はい、友野です……」

 美琴が名前を名乗る前に、騒がしい後ろの話し声と共に叫ぶような声が聞こえた。

「友野さん! 植物の納品日って今日ですよね?!」

 電話の相手は胡桃のようだ。


「そうだけど。どうかしたの?」

「届いてないんですよ! 複数社あるはずなのに、一社からも届いてないんです!」

「え?!」

「今、内田くんが受付で配送業者の確認してるんですけど……」

「どういうこと……?」

 美琴は受話器を持ったまま思わず立ち上がる。

 その様子に、隣にいた滝山と部長が顔を上げた。


「部長。卸の業者から、植物が納品されてないって……」

「は?! なんだって?!」

 部長と滝山も顔を見合わせて慌てて立ち上がり、美琴のデスクに寄った。


「胡桃ちゃん。すぐに確認して折り返す!」

 美琴は勢いよく受話器を置くと、納品予定の業者の一覧をパソコンの画面に表示させた。

 すでに昼は過ぎている。

 一社からも納品がないという事は考えられない。

 美琴は、メインの卸問屋にすぐに電話を入れた。
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