干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
その時、息を切らした滝山がフロアに飛び込んで来るのが見える。
「ぶ、部長! 温室が……」
滝山は温室から全力疾走してきたのか、ゴホゴホと咳込んで全く言葉にならなかった。
後ろから追いかけてきた瑠偉が、滝山の横から慌てて顔を出す。
「温室が……空っぽなんです!」
美琴は部長と顔を見合わせて愕然とする。
「どういう事……?」
滝山は一旦椅子に座ると、ペットボトルのお茶を一気に飲み干した。
「み、宮さんに聞いたんですけど。数日前に社長の秘書から電話が入って、急に結婚式場に、植物を貸し出して欲しいって言われたらしいんです。その内容が、レンタルで動いているもの以外、全部って……」
「全部?!」
美琴は思わず立ち上がる。
温室には、何百種類にも及ぶ植物が育てられている。
大小さまざまだが、その数は途方もない。
それを移動させると考えただけでも目が回りそうだ。
「ものすごい数だから、移動も大変だろうって思ったらしいんすが、大勢の人が来て一気に運んでったっぽくて」
瑠偉が横から声を出す。
「み、宮さんが言うには、あまりに手際が良いからあれは職人だろうって……」
滝山の言葉にその場の空気が凍り付いた。
「ぶ、部長! 温室が……」
滝山は温室から全力疾走してきたのか、ゴホゴホと咳込んで全く言葉にならなかった。
後ろから追いかけてきた瑠偉が、滝山の横から慌てて顔を出す。
「温室が……空っぽなんです!」
美琴は部長と顔を見合わせて愕然とする。
「どういう事……?」
滝山は一旦椅子に座ると、ペットボトルのお茶を一気に飲み干した。
「み、宮さんに聞いたんですけど。数日前に社長の秘書から電話が入って、急に結婚式場に、植物を貸し出して欲しいって言われたらしいんです。その内容が、レンタルで動いているもの以外、全部って……」
「全部?!」
美琴は思わず立ち上がる。
温室には、何百種類にも及ぶ植物が育てられている。
大小さまざまだが、その数は途方もない。
それを移動させると考えただけでも目が回りそうだ。
「ものすごい数だから、移動も大変だろうって思ったらしいんすが、大勢の人が来て一気に運んでったっぽくて」
瑠偉が横から声を出す。
「み、宮さんが言うには、あまりに手際が良いからあれは職人だろうって……」
滝山の言葉にその場の空気が凍り付いた。