干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「どうすんだよ……」
エレベーターの中、健太が青ざめた顔で俊介を見つめている。
俊介は壁に寄りかかったまま、何も答えず静かに目を閉じた。
――あの様子だと、社長は事の真相を知らない。鷺沼をたきつけたのは朔人か……。
緑化事業部が自力でこの状況を回避してくれるならと願ってはいても、この状況ではもう難しいのかも知れない。
俊介の心には、そんな絶望にも似た感情が浮かんでいた。
「この事、美琴ちゃんには話すの?」
健太が遠慮がちに声を出す。
「美琴には黙ってろ。これ以上、心を乱したくない……」
俊介はそれだけ言うと、緑化事業部の扉を開けた。
夜になり外から戻って来た面々を含めて、再度全員がフロアに集まった。
「う、植木屋はダメでした。すでに手を回されてます」
散々街中を走り回った滝山が、疲れ切った様子でうなだれている。
「ホームセンターは苗木ばっかで、装飾に使うには無理そうっすね……。芝生とかの大量注文は間に合わないって断られました」
瑠偉もそう言うと椅子にぐったりと腰かけた。
「俺のとこも同じ状況だ。……なす術なし、だな」
部長がぽつりとつぶやき天井を仰ぐ。
エレベーターの中、健太が青ざめた顔で俊介を見つめている。
俊介は壁に寄りかかったまま、何も答えず静かに目を閉じた。
――あの様子だと、社長は事の真相を知らない。鷺沼をたきつけたのは朔人か……。
緑化事業部が自力でこの状況を回避してくれるならと願ってはいても、この状況ではもう難しいのかも知れない。
俊介の心には、そんな絶望にも似た感情が浮かんでいた。
「この事、美琴ちゃんには話すの?」
健太が遠慮がちに声を出す。
「美琴には黙ってろ。これ以上、心を乱したくない……」
俊介はそれだけ言うと、緑化事業部の扉を開けた。
夜になり外から戻って来た面々を含めて、再度全員がフロアに集まった。
「う、植木屋はダメでした。すでに手を回されてます」
散々街中を走り回った滝山が、疲れ切った様子でうなだれている。
「ホームセンターは苗木ばっかで、装飾に使うには無理そうっすね……。芝生とかの大量注文は間に合わないって断られました」
瑠偉もそう言うと椅子にぐったりと腰かけた。
「俺のとこも同じ状況だ。……なす術なし、だな」
部長がぽつりとつぶやき天井を仰ぐ。