干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
美琴は、休憩室の窓から覗く日差しに目を細めた。
あの後、健太が何か話しかけていたが何も耳に入らなかった。
自分がいつ健太と別れて、どうやってここまで来たのかさえ記憶にない。
ただ差し込む朝日から、夜が明けたことだけが理解できた。
美琴はゆっくりと、緑化事業部のフロアに戻る。
泊まり込んだ面々は、それぞれデスクや長椅子で眠り込んでいた。
美琴はメモ用紙にペンで走り書きをすると、部長のデスクにそっとそれを置いた。
俊介はきっと副社長室だろう。
美琴は一旦みんなを振り返った後、壁に掛かっている車の鍵を手にそっと扉を閉じた。
地下駐車場の車の前まで来た時、美琴はゆっくりとスマートフォンを取り出す。
呼び出し音が五回程鳴った時「もしもし」と穏やかな声が聞こえてきた。
美琴はいつもと変わらないその声に、少しだけ救われた気持ちになる。
「こんな時間にごめんなさい。ご迷惑だと思ったんですが、教えていただきたいことがあって……」
美琴は、スマートフォンを握りしめながら小さく声を出す。
「美琴ちゃんに、おはようコールしてもらえるなんて嬉しいな」
朝早い時間にも関わらず、スピーカーからは雅也の爽やかな笑い声が聞こえていた。
あの後、健太が何か話しかけていたが何も耳に入らなかった。
自分がいつ健太と別れて、どうやってここまで来たのかさえ記憶にない。
ただ差し込む朝日から、夜が明けたことだけが理解できた。
美琴はゆっくりと、緑化事業部のフロアに戻る。
泊まり込んだ面々は、それぞれデスクや長椅子で眠り込んでいた。
美琴はメモ用紙にペンで走り書きをすると、部長のデスクにそっとそれを置いた。
俊介はきっと副社長室だろう。
美琴は一旦みんなを振り返った後、壁に掛かっている車の鍵を手にそっと扉を閉じた。
地下駐車場の車の前まで来た時、美琴はゆっくりとスマートフォンを取り出す。
呼び出し音が五回程鳴った時「もしもし」と穏やかな声が聞こえてきた。
美琴はいつもと変わらないその声に、少しだけ救われた気持ちになる。
「こんな時間にごめんなさい。ご迷惑だと思ったんですが、教えていただきたいことがあって……」
美琴は、スマートフォンを握りしめながら小さく声を出す。
「美琴ちゃんに、おはようコールしてもらえるなんて嬉しいな」
朝早い時間にも関わらず、スピーカーからは雅也の爽やかな笑い声が聞こえていた。