干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「今回の件は、規模の大きさからして確実に裏で鷺沼が関わっていますが、たぶん最初に話を持ち掛けたのは朔人でしょう。窮地に追い込まれた緑化事業部を鷺沼が救う事で、僕は鷺沼に逆らえなくなる。結果、僕は父が決めた通り鷺沼に婿養子として入り、グリーンデザインは朔人のものになる……」
俊介は静かにそう言うと、額に手を当てて目を閉じた。
「なんてこった……そんなシナリオが描かれていたなんて」
部長が愕然とした様子で立ち尽くしている。
「そ、そんなの、緑化事業部を人質にとった脅しじゃないですか!」
滝山が悔しそうに拳を握りしめ、泣きながら声を出した。
部屋には重苦しい空気が流れ、滝山のすすり泣きだけが響いている。
「だからさ、美琴ちゃんは一人で行ったんだと思うよ。俊介を助けるために!」
しばらくして、その静けさを破るように健太が大きな声を出した。
俊介ははっと顔を上げ窓の外に目をやる。
もう太陽は高い位置を目指して昇りだしていた。
『自分にとって一番譲れないもの』
――美琴……。無事に戻ってきてくれ。
俊介は祈るように両手をぐっと強く握りしめた。
俊介は静かにそう言うと、額に手を当てて目を閉じた。
「なんてこった……そんなシナリオが描かれていたなんて」
部長が愕然とした様子で立ち尽くしている。
「そ、そんなの、緑化事業部を人質にとった脅しじゃないですか!」
滝山が悔しそうに拳を握りしめ、泣きながら声を出した。
部屋には重苦しい空気が流れ、滝山のすすり泣きだけが響いている。
「だからさ、美琴ちゃんは一人で行ったんだと思うよ。俊介を助けるために!」
しばらくして、その静けさを破るように健太が大きな声を出した。
俊介ははっと顔を上げ窓の外に目をやる。
もう太陽は高い位置を目指して昇りだしていた。
『自分にとって一番譲れないもの』
――美琴……。無事に戻ってきてくれ。
俊介は祈るように両手をぐっと強く握りしめた。