干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
俊介は、医務室のベッドで気持ちよさそうに寝息を立てている、美琴の手をぎゅっと握る。
枕の脇には、美琴から外した黒縁のメガネが置かれていた。
コンコンとノックする音が聞こえ振り返ると、部長と滝山がそっとカーテンから顔を出している。
「さ、さっき、友野さんのメモの所に電話したら、山歩きで人気な渓谷のお土産屋さんでした」
滝山は俊介に、渓谷名とお店の名前が書かれたメモ用紙を手渡した。
「電話に出た女性の話だと、干物は遊歩道整備のボランティアにトータルの副社長と一緒に参加した事があるみたいですね」
「そうですか……」
俊介はそう言いながら、眠っている美琴の顔をそっと見る。
必死に植物を探してきたのであろう美琴の顔には、所々に泥がついていて髪も乱れていた。
「もうすぐトラックが到着するので、俺たちは下に行きます。他の植物の仕分けも合わせて温室で作業してるので、何かあれば声をかけて下さい」
部長が壁の時計に目をやりながら、俊介に声をかけた。
二人が出て行き静かになった部屋で、俊介はもう一度美琴の顔を静かに覗き込んだ。
そして美琴の頬の泥を、タオルで拭いながらそっと髪を撫でる。
「なんで、今まで気がつかなかったんだ……」
俊介はそうつぶやくと、美琴のおでこに優しく唇を当てた。
枕の脇には、美琴から外した黒縁のメガネが置かれていた。
コンコンとノックする音が聞こえ振り返ると、部長と滝山がそっとカーテンから顔を出している。
「さ、さっき、友野さんのメモの所に電話したら、山歩きで人気な渓谷のお土産屋さんでした」
滝山は俊介に、渓谷名とお店の名前が書かれたメモ用紙を手渡した。
「電話に出た女性の話だと、干物は遊歩道整備のボランティアにトータルの副社長と一緒に参加した事があるみたいですね」
「そうですか……」
俊介はそう言いながら、眠っている美琴の顔をそっと見る。
必死に植物を探してきたのであろう美琴の顔には、所々に泥がついていて髪も乱れていた。
「もうすぐトラックが到着するので、俺たちは下に行きます。他の植物の仕分けも合わせて温室で作業してるので、何かあれば声をかけて下さい」
部長が壁の時計に目をやりながら、俊介に声をかけた。
二人が出て行き静かになった部屋で、俊介はもう一度美琴の顔を静かに覗き込んだ。
そして美琴の頬の泥を、タオルで拭いながらそっと髪を撫でる。
「なんで、今まで気がつかなかったんだ……」
俊介はそうつぶやくと、美琴のおでこに優しく唇を当てた。