干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
しばらくして、再びコンコンと扉をノックする音が聞こえた。
「俊介。社長が呼んでるぞ……」
健太が緊張した顔つきで立っている。
俊介は美琴の手を布団の中にそっと入れると、もう一度美琴の顔を覗き込み社長室へと向かった。
「植物はなんとか手配できたらしいな」
社長は腕を組みながらl奥の椅子に座っている。
「はい。先ほどその件は鷺沼社長にもお伝えしました」
俊介の言葉に、ふんと社長は鼻をならすと、顔を上げて時計に目をやった。
「そろそろl由紀乃さんがこちらに来る頃だろう」
「なぜですか?」
鷺沼の支援は断ったはずだ。
何故、今日ここに由紀乃が来るのか、俊介は眉をひそめて社長を見る。
「結納の日取りなどの打ち合わせをする」
「は……?」
俊介は思わず社長のデスクに両手をつき、身を乗り出した。
「待ってください! 緑化事業部は鷺沼造園の力を借りずに展示会の装飾を完成できます。これからだってそうだ。あえてここで鷺沼と繋がる必要はないんじゃないですか?!」
「それとこれとは別の話だ。それに……この話はもう止められん」
社長は俊介から目を逸らすと、低い声で言い放った。
「そんな……」
俊介は愕然とする。
俊介の心には、みんなの努力や苦労が土足で踏みにじられたような、悔しさだけがこみ上げていた。
「俊介。社長が呼んでるぞ……」
健太が緊張した顔つきで立っている。
俊介は美琴の手を布団の中にそっと入れると、もう一度美琴の顔を覗き込み社長室へと向かった。
「植物はなんとか手配できたらしいな」
社長は腕を組みながらl奥の椅子に座っている。
「はい。先ほどその件は鷺沼社長にもお伝えしました」
俊介の言葉に、ふんと社長は鼻をならすと、顔を上げて時計に目をやった。
「そろそろl由紀乃さんがこちらに来る頃だろう」
「なぜですか?」
鷺沼の支援は断ったはずだ。
何故、今日ここに由紀乃が来るのか、俊介は眉をひそめて社長を見る。
「結納の日取りなどの打ち合わせをする」
「は……?」
俊介は思わず社長のデスクに両手をつき、身を乗り出した。
「待ってください! 緑化事業部は鷺沼造園の力を借りずに展示会の装飾を完成できます。これからだってそうだ。あえてここで鷺沼と繋がる必要はないんじゃないですか?!」
「それとこれとは別の話だ。それに……この話はもう止められん」
社長は俊介から目を逸らすと、低い声で言い放った。
「そんな……」
俊介は愕然とする。
俊介の心には、みんなの努力や苦労が土足で踏みにじられたような、悔しさだけがこみ上げていた。