干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
向けられた敵意
美琴がふと目を覚ますと、目の前に真っ白い天井が飛び込んでくる。
「えっと、ここは?」
まだ、くらくらとする頭に手をやりながら、ゆっくりと身体を起こした。
パイプ製の硬いベッドに敷かれた、布団を覆う清潔そうな白いシーツ。
窓から見える景色に、ここは社内の医務室だと気がついた。
「私、みんなの所に行って……それからどうしたんだっけ?」
頭の中を順に辿っていくと、滝山の顔を見た所で記憶がぷつりと切れていた。
「そうだ! もうすぐ木が届くはず!」
美琴が慌ててベッドから飛び降りようとした時、コンコンと扉をノックする音が聞こえた。
「はい……?」
美琴は小さな声を出す。
すると、そろりと開かれたカーテンの先から、甘い香りと共に知らない女性が顔を覗かせた。
ピンク色の花柄のワンピースに身を包んだ、いかにも可憐な女性。
その姿を見た瞬間、美琴の全身が緊張で強張る。
「初めまして。友野美琴さんですよね? 私、鷺沼由紀乃です」
由紀乃は上品なほほ笑みを美琴に向けると、ゆるいパーマのかかった長い髪を揺らしながらベッドの脇の椅子に腰かけた。
「何の……御用ですか……?」
美琴は硬い口調で小さく声を出す。
由紀乃は泥だらけの美琴の姿をじっと見つめると、口元に手を当ててくすっと笑った。
「えっと、ここは?」
まだ、くらくらとする頭に手をやりながら、ゆっくりと身体を起こした。
パイプ製の硬いベッドに敷かれた、布団を覆う清潔そうな白いシーツ。
窓から見える景色に、ここは社内の医務室だと気がついた。
「私、みんなの所に行って……それからどうしたんだっけ?」
頭の中を順に辿っていくと、滝山の顔を見た所で記憶がぷつりと切れていた。
「そうだ! もうすぐ木が届くはず!」
美琴が慌ててベッドから飛び降りようとした時、コンコンと扉をノックする音が聞こえた。
「はい……?」
美琴は小さな声を出す。
すると、そろりと開かれたカーテンの先から、甘い香りと共に知らない女性が顔を覗かせた。
ピンク色の花柄のワンピースに身を包んだ、いかにも可憐な女性。
その姿を見た瞬間、美琴の全身が緊張で強張る。
「初めまして。友野美琴さんですよね? 私、鷺沼由紀乃です」
由紀乃は上品なほほ笑みを美琴に向けると、ゆるいパーマのかかった長い髪を揺らしながらベッドの脇の椅子に腰かけた。
「何の……御用ですか……?」
美琴は硬い口調で小さく声を出す。
由紀乃は泥だらけの美琴の姿をじっと見つめると、口元に手を当ててくすっと笑った。