干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「一旦、干物の様子を見てからフロアに戻るか」
部長が滝山にそう言いながら廊下を歩いていると、医務室から誰かが出て行く姿が見えた。
明らかにこの会社の人間ではないその華やかな女性の後ろ姿に、部長は滝山と顔を見合わせる。
「あ、あれってもしかして……鷺沼の?!」
滝山が顔を青ざめさせている。
「な、なんで友野さんの所に?!」
その言葉を最後まで聞かずに、部長は駆け出し乱暴に医務室の扉を開けた。
「干物、開けるぞ!」
部長がカーテンを開けると、ベッドの上で凍り付いたように佇んでいる美琴の姿があった。
「お前、今……」
美琴は部長の大きな声にびくっと肩を揺らすと、突然顔をくしゃくしゃにして下を向く。
「ごめんなさい……。私、ちょっと、出てきます……」
美琴は震える声でそれだけ小さく言うと、扉を開け放って走って出て行った。
「と、友野さん!」
外で待っていた滝山が、手を伸ばして美琴を呼び止める。
それでも足をとめない美琴を追いかけようとした時、部長が滝山の肩を押さえ走り出した。
「部長……?」
滝山は、美琴と部長の背中を呆然と見送った。
部長が滝山にそう言いながら廊下を歩いていると、医務室から誰かが出て行く姿が見えた。
明らかにこの会社の人間ではないその華やかな女性の後ろ姿に、部長は滝山と顔を見合わせる。
「あ、あれってもしかして……鷺沼の?!」
滝山が顔を青ざめさせている。
「な、なんで友野さんの所に?!」
その言葉を最後まで聞かずに、部長は駆け出し乱暴に医務室の扉を開けた。
「干物、開けるぞ!」
部長がカーテンを開けると、ベッドの上で凍り付いたように佇んでいる美琴の姿があった。
「お前、今……」
美琴は部長の大きな声にびくっと肩を揺らすと、突然顔をくしゃくしゃにして下を向く。
「ごめんなさい……。私、ちょっと、出てきます……」
美琴は震える声でそれだけ小さく言うと、扉を開け放って走って出て行った。
「と、友野さん!」
外で待っていた滝山が、手を伸ばして美琴を呼び止める。
それでも足をとめない美琴を追いかけようとした時、部長が滝山の肩を押さえ走り出した。
「部長……?」
滝山は、美琴と部長の背中を呆然と見送った。