干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
美琴は数日前の健太との会話を思い出しながら、もう一度目の前の装飾を見上げた。
憧れのSNSの人も、あの日死にかけた自分を助けてくれたのも俊介だった。
その事を知れただけで、もう十分じゃないか、そう自分に言い聞かせる。
――もうこれで忘れよう。いつか言いたかったお礼は、伝えられたんだから……。
会場を後にしようとしたその時、急にスマートフォンの通知音が鳴り、美琴は手元に目線を落とす。
「え……?」
思わず声を出すと、美琴は目を丸くして慌ててもう一度画面を覗き込んだ。
そこには、ついさっき美琴がSNSに送ったコメントの下に、新しいコメントが表示されている。
美琴はその文字を目で追いながら思わず口元を手で覆い、声を出して泣きそうになるのを必死でこらえた。
会場の出口に近づいた所で、滝山はぴたりと立ち止まった。
目の前で健太が右手を上げ、ひらひらと振っているのだ。
「あ、東さん?! どうしたんですか?!」
滝山の大きな声に、部長も驚いて顔を上げた。
健太は笑顔で人差し指を口元に当てると、そのままそっと会場の真ん中を指さした。
「え?」
首を傾げながらみんなは一斉に振り返る。
その瞬間、目の前に広がる光景に「わあっ」と声を上げた。
憧れのSNSの人も、あの日死にかけた自分を助けてくれたのも俊介だった。
その事を知れただけで、もう十分じゃないか、そう自分に言い聞かせる。
――もうこれで忘れよう。いつか言いたかったお礼は、伝えられたんだから……。
会場を後にしようとしたその時、急にスマートフォンの通知音が鳴り、美琴は手元に目線を落とす。
「え……?」
思わず声を出すと、美琴は目を丸くして慌ててもう一度画面を覗き込んだ。
そこには、ついさっき美琴がSNSに送ったコメントの下に、新しいコメントが表示されている。
美琴はその文字を目で追いながら思わず口元を手で覆い、声を出して泣きそうになるのを必死でこらえた。
会場の出口に近づいた所で、滝山はぴたりと立ち止まった。
目の前で健太が右手を上げ、ひらひらと振っているのだ。
「あ、東さん?! どうしたんですか?!」
滝山の大きな声に、部長も驚いて顔を上げた。
健太は笑顔で人差し指を口元に当てると、そのままそっと会場の真ん中を指さした。
「え?」
首を傾げながらみんなは一斉に振り返る。
その瞬間、目の前に広がる光景に「わあっ」と声を上げた。