干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
反撃
「本当に一人で大丈夫なのか?」
健太が車の運転席から顔を覗かせる。
「大丈夫だ。近くで待っててくれ」
俊介はそう言い残すと、少し緊張した顔つきで大邸宅の門の前に立った。
インターホンを鳴らすと、使用人らしき女性がしおらしく現れ、俊介を中に招き入れる。
さすが、造園会社の社長宅だ。
長い廊下を進むと、廊下に面して広大な日本庭園が見えた。
今の時期だからか、葉は力強い青さを所狭しと広げている。
きっと紅葉の季節には、彩は鮮やかに変わるのであろう。
季節ごとに違う景色を見せてくれるだろう庭を眺めると、改めて鷺沼造園が強大な力だけでなく、確かな実力も持っている企業だという事を実感した。
突き当りの案内された客間には、すでに鷺沼が座っている。
座布団の上で胡坐をかき、腕を組みながら瞑目している姿からはひしひしと怒りが伝わってきた。
俊介は一礼してから部屋に入ると、鷺沼とテーブルを挟んで対するように腰を下ろす。
ふと目線を向けると奥の部屋の襖は開いており、そこから由紀乃がうつむいて座っている横顔が見えた。
由紀乃は目を真っ赤にして、今もハンカチで涙を拭っている。
俊介は小さく息を吐き、再度鷺沼に目をやった。
健太が車の運転席から顔を覗かせる。
「大丈夫だ。近くで待っててくれ」
俊介はそう言い残すと、少し緊張した顔つきで大邸宅の門の前に立った。
インターホンを鳴らすと、使用人らしき女性がしおらしく現れ、俊介を中に招き入れる。
さすが、造園会社の社長宅だ。
長い廊下を進むと、廊下に面して広大な日本庭園が見えた。
今の時期だからか、葉は力強い青さを所狭しと広げている。
きっと紅葉の季節には、彩は鮮やかに変わるのであろう。
季節ごとに違う景色を見せてくれるだろう庭を眺めると、改めて鷺沼造園が強大な力だけでなく、確かな実力も持っている企業だという事を実感した。
突き当りの案内された客間には、すでに鷺沼が座っている。
座布団の上で胡坐をかき、腕を組みながら瞑目している姿からはひしひしと怒りが伝わってきた。
俊介は一礼してから部屋に入ると、鷺沼とテーブルを挟んで対するように腰を下ろす。
ふと目線を向けると奥の部屋の襖は開いており、そこから由紀乃がうつむいて座っている横顔が見えた。
由紀乃は目を真っ赤にして、今もハンカチで涙を拭っている。
俊介は小さく息を吐き、再度鷺沼に目をやった。