干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「俊介さんがあの日、ここにいたSNSの人だったんですよね」
美琴はほほ笑みながら俊介を見上げる。
「僕も全く気がつきませんでした。美琴がずっと言ってたSNSが、僕のSNSだったなんて。それと……あの日、滑落した女の子の事もね」
俊介はそう言うと、帽子を取った美琴の前髪にそっと触れる。
美琴はそれがくすぐったくて、くすくすと笑った。
「そうそう! 美琴が落ちる直前に叫んだ言葉、覚えてますか?」
「え?! 私、何か叫んでましたか?!」
俊介は大きく息を吸うと、一旦ぴたりと止まる。
「一度でいいから恋がしたかったー!」
そして滝に向かって大きな声で叫んだ。
「ええええええ……。死に際にその発言って……。しかもばっちり聞かれてる」
今度は顔を真っ青にする美琴を見て、俊介はまた楽しそうに笑っている。
「ここは僕にとって大切な場所で、美琴にとっても大切な場所だった。それが一番嬉しいんです。一緒に来られて良かった」
俊介の顔を見ながら、美琴も大きく頷いた。
遊歩道を降り、二人で手を繋ぎながらあの土産物屋に向かう。
ちょうど入口の所に立っていた福さんが、驚いた顔をしながらこちらへ手を振った。
「あんた、来てたんだね! えっと、そちらさんは……?」
美琴はほほ笑みながら俊介を見上げる。
「僕も全く気がつきませんでした。美琴がずっと言ってたSNSが、僕のSNSだったなんて。それと……あの日、滑落した女の子の事もね」
俊介はそう言うと、帽子を取った美琴の前髪にそっと触れる。
美琴はそれがくすぐったくて、くすくすと笑った。
「そうそう! 美琴が落ちる直前に叫んだ言葉、覚えてますか?」
「え?! 私、何か叫んでましたか?!」
俊介は大きく息を吸うと、一旦ぴたりと止まる。
「一度でいいから恋がしたかったー!」
そして滝に向かって大きな声で叫んだ。
「ええええええ……。死に際にその発言って……。しかもばっちり聞かれてる」
今度は顔を真っ青にする美琴を見て、俊介はまた楽しそうに笑っている。
「ここは僕にとって大切な場所で、美琴にとっても大切な場所だった。それが一番嬉しいんです。一緒に来られて良かった」
俊介の顔を見ながら、美琴も大きく頷いた。
遊歩道を降り、二人で手を繋ぎながらあの土産物屋に向かう。
ちょうど入口の所に立っていた福さんが、驚いた顔をしながらこちらへ手を振った。
「あんた、来てたんだね! えっと、そちらさんは……?」