干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
美琴は俊介の首元に頭をのせ、寄り添いながら一緒に星空を見上げた。
「今日、美琴と一緒に渓谷に行けて良かった……」
しばらくして俊介がゆっくりと口を開く。
「あの渓谷は僕と父と母、家族三人の唯一の思い出の場所なんです。僕がまだ小さい頃にあの渓谷と森の景色を見ながら、父はグリーンの会社を立ち上げるって決めたそうです」
俊介は長い腕で、美琴を包むように抱きしめる。
「母はその夢を応援するって『俊介も一緒に応援してあげてね』って言ってました。でも結局数年後、会社は軌道に乗りましたが、夫婦関係は破綻して母は家を出て行きました……」
目を伏せる俊介の頬に、美琴はそっと手を当てる。
俊介はその手をきゅっと握り返した。
「僕は家庭環境が複雑だったから、美琴は不安に思うかも知れません。それでも僕は美琴となら、あの日あの渓谷で見た景色を、新しい色に塗りかえられると信じています」
俊介は身体を起こすと、美琴を一人椅子に座らせる。
そして美琴の前に跪くと、ポケットから小さな箱を取り出した。
「今日、美琴と一緒に渓谷に行けて良かった……」
しばらくして俊介がゆっくりと口を開く。
「あの渓谷は僕と父と母、家族三人の唯一の思い出の場所なんです。僕がまだ小さい頃にあの渓谷と森の景色を見ながら、父はグリーンの会社を立ち上げるって決めたそうです」
俊介は長い腕で、美琴を包むように抱きしめる。
「母はその夢を応援するって『俊介も一緒に応援してあげてね』って言ってました。でも結局数年後、会社は軌道に乗りましたが、夫婦関係は破綻して母は家を出て行きました……」
目を伏せる俊介の頬に、美琴はそっと手を当てる。
俊介はその手をきゅっと握り返した。
「僕は家庭環境が複雑だったから、美琴は不安に思うかも知れません。それでも僕は美琴となら、あの日あの渓谷で見た景色を、新しい色に塗りかえられると信じています」
俊介は身体を起こすと、美琴を一人椅子に座らせる。
そして美琴の前に跪くと、ポケットから小さな箱を取り出した。