干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
父と子の会話
「えっと今日のスケジュールは……」
副社長室で健太が手帳を見ながら声を出す。
俊介は窓の外に目をやりながら、ぼんやりとその声を聞いていた。
美琴と渓谷に行ってからしばらく時間は経っていた。
もう街並みは秋の装いに変わってきている。
――そろそろ社長に、美琴を紹介しないといけないな。
社長に会わせると言ったら、美琴はどんな顔をするだろうか。
それを想像しただけで面白く、俊介はくくっと一人で笑っていた。
「ちょっと! 聞いてんのかよ」
突然、耳元で健太の大声が聞こえ、俊介はビクッと振り返る。
「俊介、おまえなぁ。美琴ちゃんと幸せいっぱいなのはわかったけど、ちょっとは俺にも気持ち向けてよね!」
「わ、悪かった」
口を尖らせる健太に向かって、俊介は思わず両手を上げた。
「さっきも言ったけど、今日の午後一で急遽社長との打ち合わせが入ったから!」
「え? 社長と? 何の話だ?」
首を傾げる俊介に、同じように健太も首を傾げる。
「さぁ? 俺には内容を教えてくれなかったけど、今日はこの打ち合わせが再優先って言ってたぞ」
俊介は「ふーん」と言いながら再び首を傾げた。
副社長室で健太が手帳を見ながら声を出す。
俊介は窓の外に目をやりながら、ぼんやりとその声を聞いていた。
美琴と渓谷に行ってからしばらく時間は経っていた。
もう街並みは秋の装いに変わってきている。
――そろそろ社長に、美琴を紹介しないといけないな。
社長に会わせると言ったら、美琴はどんな顔をするだろうか。
それを想像しただけで面白く、俊介はくくっと一人で笑っていた。
「ちょっと! 聞いてんのかよ」
突然、耳元で健太の大声が聞こえ、俊介はビクッと振り返る。
「俊介、おまえなぁ。美琴ちゃんと幸せいっぱいなのはわかったけど、ちょっとは俺にも気持ち向けてよね!」
「わ、悪かった」
口を尖らせる健太に向かって、俊介は思わず両手を上げた。
「さっきも言ったけど、今日の午後一で急遽社長との打ち合わせが入ったから!」
「え? 社長と? 何の話だ?」
首を傾げる俊介に、同じように健太も首を傾げる。
「さぁ? 俺には内容を教えてくれなかったけど、今日はこの打ち合わせが再優先って言ってたぞ」
俊介は「ふーん」と言いながら再び首を傾げた。