干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「失礼します」
社長室に入ると社長はソファに深く腰を沈め座っていた。
鷺沼造園の一件以来、社長の俊介に対する威圧的な態度は鳴りを潜め、一切口出ししてくることはなくなっていた。
「急に呼び出してすまんな」
俊介は、すっかり歳をとった印象の社長の前に腰を下ろす。
社長は穏やかな顔で俊介を見つめると、口元を引き上げた。
「私は、社長の座を退こうと思っている」
「え……?」
突然社長から飛び出し言葉に、俊介は驚いて目を見開いた。
「今回の件も含め、今までの事について報告を受けた。専務の事から始まり、私が承知していない事も多々あった」
社長は手を組みながら下を向く。
「それは責任を取って社長職を退くという事ですか?」
俊介は社長の意図がわからず眉をひそめながら声を出した。
「それもあるが……。そもそもは、お前や朔人、社員と向き合って来なかった私が招いたことだと気がついたんだ。いつの間にかお前も社員も会社も、驚くほど実力をつけていた。私はそれを見ようとしていなかった……」
社長は静かに顔を上げ、俊介を見つめた。
「俊介、後を継いでくれるか?」
「僕が……?」
「お前にグリーンデザインの未来を託したい」
「……お父さん」
社長は父親の顔つきになると優しくほほ笑んだ。
社長室に入ると社長はソファに深く腰を沈め座っていた。
鷺沼造園の一件以来、社長の俊介に対する威圧的な態度は鳴りを潜め、一切口出ししてくることはなくなっていた。
「急に呼び出してすまんな」
俊介は、すっかり歳をとった印象の社長の前に腰を下ろす。
社長は穏やかな顔で俊介を見つめると、口元を引き上げた。
「私は、社長の座を退こうと思っている」
「え……?」
突然社長から飛び出し言葉に、俊介は驚いて目を見開いた。
「今回の件も含め、今までの事について報告を受けた。専務の事から始まり、私が承知していない事も多々あった」
社長は手を組みながら下を向く。
「それは責任を取って社長職を退くという事ですか?」
俊介は社長の意図がわからず眉をひそめながら声を出した。
「それもあるが……。そもそもは、お前や朔人、社員と向き合って来なかった私が招いたことだと気がついたんだ。いつの間にかお前も社員も会社も、驚くほど実力をつけていた。私はそれを見ようとしていなかった……」
社長は静かに顔を上げ、俊介を見つめた。
「俊介、後を継いでくれるか?」
「僕が……?」
「お前にグリーンデザインの未来を託したい」
「……お父さん」
社長は父親の顔つきになると優しくほほ笑んだ。