干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
――私一人だったら、仕事取れなかったな。
美琴はぼんやりと考えながら、台の上の大きな花瓶に手をかける。
「下に降ろして、写真撮りますね」
副社長に声をかけ、花瓶を持ち上げようとした、その時――。
「おもっ!」
花瓶は予想よりもはるかに重く、美琴の身体はぐらりとふらついた。
「危ない……!」
副社長が、手を伸ばしながら駆け寄った。
そして後ろから、美琴の身体ごと花瓶を支える。
「わ……」
抱きしめられるような体勢になり、美琴はかーっと全身が熱くなった。
「す、す、すみません……」
副社長の体温や息づかいを、背中や耳元に直接感じる。
美琴は慌てて手を引っ込め、飛び出そうになる心臓を押さえる様に、ぎゅっと胸の前で両手を握った。
「これ、壊したら大損害ですよ……」
副社長はそう言いながら、花瓶を台に戻し手を離す。
美琴は、ぱっと横に身をひるがえして、下を向いた。
「危ないから、ここで撮りましょう……」
美琴が、上目遣いで見上げた副社長の頬は、ピンク色に染まっていた。
美琴はぼんやりと考えながら、台の上の大きな花瓶に手をかける。
「下に降ろして、写真撮りますね」
副社長に声をかけ、花瓶を持ち上げようとした、その時――。
「おもっ!」
花瓶は予想よりもはるかに重く、美琴の身体はぐらりとふらついた。
「危ない……!」
副社長が、手を伸ばしながら駆け寄った。
そして後ろから、美琴の身体ごと花瓶を支える。
「わ……」
抱きしめられるような体勢になり、美琴はかーっと全身が熱くなった。
「す、す、すみません……」
副社長の体温や息づかいを、背中や耳元に直接感じる。
美琴は慌てて手を引っ込め、飛び出そうになる心臓を押さえる様に、ぎゅっと胸の前で両手を握った。
「これ、壊したら大損害ですよ……」
副社長はそう言いながら、花瓶を台に戻し手を離す。
美琴は、ぱっと横に身をひるがえして、下を向いた。
「危ないから、ここで撮りましょう……」
美琴が、上目遣いで見上げた副社長の頬は、ピンク色に染まっていた。