干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「伝言は受け取りました。ところで相馬部長、それに対するあなたの意見は?」


 副社長は、あの射抜くような瞳で部長を見つめている。


 部長は副社長の言葉を聞き、しばらく目を丸くしていたが、急にふっと目線を反らし頭をかいた。

「俺の意見を求めるなんて、人が悪いですよ……副社長。では、そういう事で……」

 部長はくるりと背を向けると、片手を上げた。


「部長……」

 部長は、複雑な表情で見上げる美琴に気がつくと、少しだけ口角を上げる。

「じゃあな、干物」

 部長は小さく言うと、美琴の頭をぽんぽんと叩き、そのまま部屋を出て行った。


 ――部長の顔、寂しそうだった。

 美琴は部長が出て行った扉を、じっと見つめていた。


「ついに、本性を現したってとこだね」

 東が大きく伸びをして、ソファにどしんと座る。

「ど、どういう事ですか?!」

 滝山も続いてソファに腰をかけ、訳が分からないという顔をしている。
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