干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「あ! 健太さん。こんにちは!」

 朔人は健太の顔を見つけると、再び明るい声を出した。

「こんにちは。朔人くんも元気そうだね」

「はい! 他の皆さんは……もしかして、兄さんの新プロジェクトの人達ですか? 僕、野田朔人(のださくと)です。兄がいつもお世話になってます」

 朔人は、美琴と滝山に向かって深々とお辞儀をすると、顔を上げてにっこりとほほ笑んだ。


「は、初めまして。こちらこそお世話になってます……」

 美琴も慌てて、ぺこりと頭を下げる。


「プロジェクトのこと、知ってるのか……」

 その様子を目を細めて見つめていた副社長が、静かに声を出した。


「嫌だなぁ、兄さん。社内じゃ有名な話ですよ」

「社内……か」


 ほんの一瞬、二人の間に緊張した空気が流れる。
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