干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「どういう、つもりですか?」

「どういうって、言われたことを伝言しただけだよ」

「また、それですか?!」

 部長が眉をひそめながら、ゆっくりと美琴を見た。


「部長は、そんな人なんですか? 言われた事を、伝言するだけの人なんですか?」

 部長は何も言わない。

「本当の部長は、何を思ってるんですか?」

「……」

「部長は、いつも笑って私をからかうじゃないですか……。今の顔は寂しそうです。辛そうです……」

 美琴は、肩を震わせながら下を向く。

 部屋の中では、他のスタッフが固唾をのんで様子を伺っていた。


「友野さん。それぐらいにしましょう」

 突然、静かな声が室内に響く。

「部長を責めるのは、やめましょう」

 副社長の手が、美琴の肩に優しく触れた。


「でも……」

「美琴ちゃん。何を言っても変わらないよ」

 東は首を振り、滝山が後ろから泣きそうな顔で見つめていた。
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