干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「専務、相馬です。今、お時間よろしいでしょうか?」

 部長は、専務室のドアをノックした。

 すぐに秘書が顔を覗かせ、部長を室内へと案内する。


 専務は誰かと電話をしている様子だったが、部長に気がつくとすぐに受話器を下ろした。

「あぁ。相馬くん。どうだい? あのプロジェクトの方は……」

 専務は、髪が撫でつけられた頭を揺らしながら、ゆっくりと笑みを浮かべる。

「それが、少し厄介なことが起きまして……」

 部長は専務のデスクに寄り、声をひそめて言った。


「どうした?」

「トータルグリーンが、うちの顧客を片っ端から横取りに来ているようなんです。まだ、はっきりした事はわかっていないんですが……」

「ほお……」

 専務は眉を上げ、驚いた顔を見せた。
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