干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
 俊介は、部長に片手を差しだした。

「改めて、ようこそ。泥船プロジェクトへ」

 俊介は少年の様な顔でにんまりとする。

「こちらこそ、微力ながらお役に立てるよう頑張ります」

 部長はその手を強く握り、にやりと笑みを浮かべた。


「そういえば……ひとつ伺いたいんですが……」

 俊介は立ち上がり、デスクの方に歩きながら、珍しく口ごもった声を出した。

「はい?」

「部長にとって友野さんは……その、どういった存在ですか?」

「え??」

 部長は目を丸くして、椅子に座った俊介を眺める。


「どういった……。そうですね。干物は……信頼できるかわいい部下の一人、かな。……それと」

「それと?」

「それと、あいつは……」

 部長はしばらく考えてから顔を上げ、俊介をまっすぐに見た。


「あいつは、副社長の味方になれる」

 俊介はその言葉に、目を細めて頷いた。
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