干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「あの、聞いても良いですか?」

「うん?」

「東さんと副社長は、いつからの知り合いなんですか?」

「高校の時からかな。腐れ縁ってやつ!」

「へえ」

「本当はね、もう一人いたんだよ。よく三人で馬鹿やってたなぁ……」

 東は懐かしそうな顔で、遠くを見つめる。


「すごく仲良かったんですね」

「そ! 好きな女の子が、かぶっちゃうくらいに仲良し!」

「えっ……?!」

 美琴は東の言葉に、反射的にドキッとして声がもれる。


 ――副社長が好きになる女性(ひと)って、どんな人……?

 そんな考えが、ふっと美琴の頭に浮かんだ。


 急にうつむいた美琴を見て、東があははと声を出して笑っている。

「美琴ちゃん、可愛いー。わかりやすすぎ!」

「からかわないで下さい!」

 美琴は、じろっと東を横目で見る。

「ねえ。良いこと教えてあげようか……」

 東はそう言うと、美琴の肩にそっと手をかけた。
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