干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
最初の仕事
納品に向かうバンの助手席で、美琴はチラッとハンドルを握る部長を盗み見る。
――まさか、部長がSNSの人?! ……ってことは、さすがにないよね?
あの渓谷は、都心から日帰りで行きやすい、人気の散策スポットだ。
部長が、趣味で山歩きしていたとしても不思議ではない。
美琴は車のシートに頭をつけ、窓からのぞく空を見上げた。
美琴が憧れるSNSの人は、年齢も住んでいる地域も何もかも、一切情報がわからない。
ただ一つわかっていること、それはグリーンレンタルの企業が多く出展した観葉植物の展示会に参加していたらしい、という事だけだった。
「どうした? ぼーっとして」
部長が美琴に話しかける。
「い、いえ。ちょっと考え事を……」
「ふーん」
「あの……部長ってアウトドア派でしたっけ……?」
美琴の唐突な質問に、部長は眉をひそめる。
「あ? まあな。これでも学生の頃は、ワンゲル部だったからな」
「ワンゲル? ワンゲル部って何ですか?」
――まさか、部長がSNSの人?! ……ってことは、さすがにないよね?
あの渓谷は、都心から日帰りで行きやすい、人気の散策スポットだ。
部長が、趣味で山歩きしていたとしても不思議ではない。
美琴は車のシートに頭をつけ、窓からのぞく空を見上げた。
美琴が憧れるSNSの人は、年齢も住んでいる地域も何もかも、一切情報がわからない。
ただ一つわかっていること、それはグリーンレンタルの企業が多く出展した観葉植物の展示会に参加していたらしい、という事だけだった。
「どうした? ぼーっとして」
部長が美琴に話しかける。
「い、いえ。ちょっと考え事を……」
「ふーん」
「あの……部長ってアウトドア派でしたっけ……?」
美琴の唐突な質問に、部長は眉をひそめる。
「あ? まあな。これでも学生の頃は、ワンゲル部だったからな」
「ワンゲル? ワンゲル部って何ですか?」