干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~

はじめの一歩

「最初の仕事が無事に終わって良かったですね!」

 美琴は大きく伸びをしながら、東と滝山を振り返った。


 MMコーポレーションへの、納品を済ませた美琴達は、会社に戻り荷物を倉庫に運びこんでいた。


「それにしても向こうの課長、大絶賛だったじゃない! 今回は花瓶を鉢カバーにするって思いついたタッキーのお手柄だね」

 東が台車を押しながら、滝山の顔を覗き込む。

「で、ですよね?! 僕もそう思います!」

 滝山は照れながらも、自信を持ったような顔つきを見せる。


「タッキーも言うようになったな。さぁ、今日はうまい酒が飲めるぞ」

「え?! ほ、本当ですか?!」

 東がポンポンと肩を叩き、滝山はキラキラと目を輝かせる。

「あったりまえじゃん! 副社長と部長がいるんだよ。どんな良い店、連れっててもらおうかねぇ。しゃぶしゃぶ? 寿司? あっ天ぷら?」

「ぼ、僕は寿司が良いです……!」

 盛り上がる東と滝山の声を背中で聞きながら、美琴はふふっと肩を震わせる。
< 85 / 435 >

この作品をシェア

pagetop