干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
再会
週末の晴れた日、美琴は窓際の席に腰をかけ、電車に揺られていた。
隣の座席には、お土産物で有名なラスクが入った紙袋と、駅弁が入ったビニール袋が置いてある。
ぼんやりする頭の中には、数日前の打ち上げの様子が浮かんでいた。
――みんな、学生みたいにはしゃいでたなぁ。
ふと窓に映った自分の顔が、微笑んでいることに気がつく。
ここ数週間で美琴の生活は一変した。
突然の異動、それも泥船プロジェクトと呼ばれる副社長の部署。
――でも……。泥船どころか、私にとっては冒険に乗り出す船みたいに、ワクワクしてる。
美琴は無意識に自分の前髪に手をやり、ポンポンがないことに気がついた。
“干物ちゃん”のトレードマークである、赤いポンポンと黒縁メガネは、会社専用だ。
美琴は登山用の帽子を目深に被り、まだ記憶に新しい駅に降り立った。
隣の座席には、お土産物で有名なラスクが入った紙袋と、駅弁が入ったビニール袋が置いてある。
ぼんやりする頭の中には、数日前の打ち上げの様子が浮かんでいた。
――みんな、学生みたいにはしゃいでたなぁ。
ふと窓に映った自分の顔が、微笑んでいることに気がつく。
ここ数週間で美琴の生活は一変した。
突然の異動、それも泥船プロジェクトと呼ばれる副社長の部署。
――でも……。泥船どころか、私にとっては冒険に乗り出す船みたいに、ワクワクしてる。
美琴は無意識に自分の前髪に手をやり、ポンポンがないことに気がついた。
“干物ちゃん”のトレードマークである、赤いポンポンと黒縁メガネは、会社専用だ。
美琴は登山用の帽子を目深に被り、まだ記憶に新しい駅に降り立った。