干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~

水上雅也

 ボランティアの人達は、年齢も様々で山登りの恰好をした人や作業着の人もいた。

 日差しが強かったからか、みんな頭や首に巻いたタオルで大量の汗を拭っている。

「みんな、ありがとうねぇ。店の中に冷たいお茶があるから、休んでくださいな」

 おばちゃんはそう声をかけると、美琴に片手を上げ店の中に入っていった。


 枝や葉が飛び出している大きな袋は、店先の脇に積み上げられて置かれている。

「今日は暑かったな」

「腰にきますよね」

 みんな口々に言っているが、その顔つきは満足気で爽快感が漂っていた。


 美琴はその様子をぼんやり眺めていたが、ひと際背が高く若い男性と目が合ってしまった。


「こんにちは。一人?」

 男性はにこやかな笑顔で美琴を見る。

「は、はい……」

 美琴が戸惑いながら答えると、男性はちょこんと美琴の隣に腰かけた。

「一人で山登り? 珍しいね」

 男性は物腰柔らかく、美琴に話しかける。
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