腕の中で、愛でる
寵愛
「━━━━━御影!お前…いい加減、華澄から離れろ!
つか!
千影んとこ、帰れよ!」

澄義が、御影に怒鳴っている。



あれから━━━━あの電話を聞いてから御影は、華澄にくっつき片時も離れずにいた。

毎日華澄の部屋に泊まり、学校でも離れない。
体育の授業は華澄とサボり、屋上に連れていく。

まるで二・三歳の子どものように離れず、離れようとすると駄々をこねるように怒るのだ。


「みぃくん。
心配しなくても、私はみぃくんから放れないよ!」
華澄が何度言い聞かせても、その手の話には全く聞く耳を持たない。

そして一日に何度も“カスミン。みぃくん、ちゅきって言って?”と催促するのだ。



千影や澄義も、お手上げ状態だ。

それは無理矢理離そうとすると“カスミンと一緒に死ぬ!”と脅し、華澄の首に手を掛けるのだ。

御影の目は、本気を示している。


「パパ、ちぃくん。
私は、大丈夫だから!
…………みぃくん、大丈夫だよ!
私は、ずーーーっと傍にいるよ!」
微笑み言うと、御影は心底嬉しそうな顔をする。

そして、両手を広げて言った。
「みぃくん、ギューってしよ?」

御影が吸い寄せられるように、華澄に抱きつき抱き締める。

「みぃくん」
「ん?なぁに?」

「ちゅ……ちゅき/////」

「フフ…可愛い…可愛いなぁー!」

「でも、恥ずかしいね!赤ちゃん言葉」

「でも、可愛い!」

「みぃくん」

「ん?」

「キスしよ?」

「うん!」
口唇か重なり、離れた。

「フフ…」
「フフフ……
カスミン、エッロいやつしたい!」

「うーん。
今はダメ!」

「えーーー!」

「まだ真っ昼間だから」

「フフ…じゃあ、夜に……ね?」

「うん…/////」

幸せそうに微笑んでいる、御影。


華澄は思う。

あぁ…この人は、私がいないと生きていけないと。
私が傍にいないと、壊れてしまう。


だから、ずっと離れずにいよう━━━━━と。


「みぃくん、大ちゅき!/////」
「うん!俺も、大ちゅき!」


「「ずーーーっと、一緒にいようね!」」
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