ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~
「青葉さんは死にました」
と繰り返すあかりのせいで、青葉の頭の中では、見たこともないフィンランドのあかりの部屋で、自分が倒れていて。

 その周りに、事件現場で死体の周りに引いてあるような白い線が引いてあった。

 あかりは言う。

「『お前は誰だ』は仕方ないかなと思いました。
 記憶がないんですから。

 でも、別人のように冷たい目で私を見たんです」

「いや、だから、それは別人だからだろ」

 自分はあかりと会っていないから、それは大吾のはずだ。

 っていうか、あいつ、あかりをそんな目に遭わせておいて、今、しゃあしゃあと、あかりにつきまとっているのか。

 すごい神経だな。

 見習いたい……。
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