ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~
「世の中、不思議なことが起こりますよね、いろいろと」
と青葉を見つめる。

 そのとき、行きかけた日向が木の側にしゃがむと、戻ってきて、手を突き出してきた。

「きょうりゅう」

 トカゲですよっ!?

 ぎゃっ、とあかりは後退り、思わず青葉の腕をつかむ。

 慌てて離した。

 ほんとうに生きている人間の感触があったので、驚いたのだ。

 いや、生きてて当たり前なのだが。

 目の前にいても、なんだかずっと信じられなかったから。

 一瞬、過去の青葉と今の青葉がつながりそうになったが。

 それは、ほんとうに一瞬のことだった――。



< 263 / 623 >

この作品をシェア

pagetop