ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~
 


 次の日、青葉は大吾に連絡したが、携帯も通じなかった。

 まだ呪いの村から帰ってないのか。

 ……呪われたのだろうか。

 村人の呪いで通じないとか?

 いや、今、あいつをもっとも呪っているのは俺なんだが。

 自分の身代わりであかりに会いに行った、というとこまでは、うちの母親が面倒かけて申し訳ないと思う余地があったのだが。

 なんで、お前の方があかりにぐいぐい押してってるっ!?

 とか考えていたら、恋の予感にウキウキしている来斗がやってきた。

「おはようございますっ、社長っ」

「……元気そうだな」

「どうしたんですか、社長。
 顔色、どす黒いですよ」

 あかりに告白する前に、あかりと自分との間に子どもがいることが発覚し。

 混乱しているところに、日向が、大吾を『父親』とか呼びはじめて……。

 この状況で、頭が混乱しないやつがいるだろうか、いや、いない。
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