ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~
「……よくわからないが。
 そんな状態なのに、なんで会社に来た?」

「引き継ぎにきました」

「死ぬほど義理堅いな」

「そういうことは、きちんとしろと言われまして」

 誰が? と思ったとき、来斗が言った。

「姉の店も予約の商品でもあればよかったんですけど。
 あまり客の来ない店なんで」

 確かに……、と青葉が言うと、来斗はちょっとだけ笑ったようだった。

「では、失礼します」
と去ろうとする来斗の背に向かい言った。

「お前、何処かへ帰るんだろ。
 そこに、あかりもいるのか。

 そこが何処かは教えてくれなくていい。
 お前のあと、ついていってもいいか」

「駄目です」
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