ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~
「何故だ」

「姉を人質にとられているので」

「え……」

「いえ、ご心配なく。
 ああいう人なんで、何処でも楽しくやってますから」

 いやいや、俺のいないところで、楽しくやって。
 もう戻りませんとか言われたらと、余計に心配になるんだが……。

「大丈夫です、きっと。
 そのうち、姉には会えると思いますよ。

 ――すみません。
 全部、僕のせいです」

 巻き込んでしまって申し訳ないです、と言って、来斗は社長室を出て行った。



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