ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

孔子日記



「この間、巻頭の次に載ってたあんたの漫画、私、いまいち」

 親友、あかりの店で穂月に、久しぶりに雑誌に載った漫画にケチをつけられ、私はキレる。

「はあ?」

「私、ヒーロー年下は嫌いなの」

「あんたの好みなんて知らないわよーっ」

 ランプの素敵な店で、こんなに騒いで申し訳ないと思ったが。

 あかりはいつものように、特に気にするでもなく。

 小さなテレビで俳句の番組を見ながら、

「サウナ後に、湖飛び込むフィンランド」
とか、ひとり俳句を詠んでいる。

 あかりと私。

 お互いマイペースだから続いてるんだろうなと、ふと思った。

 そう言えば、穂月もかなりマイペースだ。

 こいつとの付き合いも長くなるんじゃないだろうなと怯える。
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