ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~



 ……間違いなしです、と私が書いていると、

「なに書いてんだ?」
と後ろから風呂上がりの青葉さんがひょいと覗き込んできた。

「日向のことを書いてる日記です」
と私は振り返る。

「印象的なことがあったときだけ――。

 ちょっとずつですが、ずっと書いてたんです。

 ……もうあの青葉さんが戻ってくることなんてないと思ってたんですが。

 もしかして、いつか、青葉さんが記憶を取り戻して戻ってきてくれることがあるなら。

 大変だったけど、楽しかった小さな日向との毎日を知って欲しくて」

 ほんとうは、こんな風に青葉さんが戻ってきてくれる未来なんてないと思ってた。

 だから、青葉さんにいつか見せたいというより、単に、なにかすがるものが欲しくて書いていただけなのかもしれない。

「……今度、ゆっくり見せてくれ」
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