プリズムアイ
待ちに待った夜が来た。夜の九時ごろに、電話してと言われて大人しく電話をした。
コール音はお預けのように感じて、さらに期待を高ぶらせる。テレフォンセックスでもするわけではあるまいに。自分が童貞のように感じたが、それをサキがさせているのだと思うと勃起した。羞恥心と罪悪感がごちゃ混ぜになりながらも、穿ちあがったそれにティッシュを巻き擦った。
<あ、水島さん?夜分遅くにすみません、フジタです>
あ、出た。冷静になりながら、こぼれない様に丁寧に掬いあげる。
<お疲れ様、今、大丈夫>
<はい、お風呂から上がったところなので>
お風呂。
<あぁ、そうなんですね>
動揺して思わず敬語がでた。彼女は液晶越しに笑い声をクスクスもらした。
<水島さんってわかりやすいですよね。そういうところが好感もてます>
<え?>
<いや、なんでもないですよ?今度の技能試験についての勉強法を知りたくて>
それは社内資格のことだった。美司が頑張って教えていたものだ。これに合格したら、給与が少しだけ上がるというものだった。
彼女は大真面目に試験の勉強をしているらしい。