プリズムアイ
彼女は少しだけホッとしたように身体の力を抜いた。
少し崩した表情で、「はい、頑張ります」といってそのあとに「優しいですね、水島さんって」目を潤ませていた。また、その見ないようにしていた瞳がキラキラと輝いて見えて思わず胸がつまった。
「優しい先輩に出会えて、良かったです。相談事とかまたのってもらっていいですか?」
そういって、自分の研修で使うノートの切れ端に連絡先のIDを書いてさっと渡してきた。
「わかった、いつでも」
俺は素直に受け取り、にやけつきそうな顔を隠しながら業務につく。
彼女の様子を見るに言われた量の半分もこなせそうになかったので、彼女を手伝うため自分の仕事をはやく切り上げることを目標に目の前の書類を片づけていった。