もう一度わたしと、恋をしてください。
ひとしきりダイゴローに構ってから、2階にある自分の部屋に行って制服からジャージに着替える。
白で統一してある部屋に、最近購入してもらってさっそく飾った姿見で自分の姿を確認すると、二つに結んでいた髪の毛を取って簡単に一つで結んだ。
スマホと家の鍵だけ持って、もう一度ダイゴローの元へ行く。
「ねー、ダイゴロー、わたし好きな人できちゃったよ〜」
ダイゴローがこてんと首を傾げた。
その可愛い仕草に、昼間の星野くんが重なって、じわじわと頬に熱が集まっていく。
まだ、何も送れてない。
せっかく海に高いクレープ奢る約束をして教えてもらったのに
スマホを取り出してメッセージアプリを開く。
星野くんとのトーク画面はまだまっさらで、ゆっくりとした動作で文字を打っていく
《長沼橙子です、海に連絡先教えてもらいました》
なんか文字だけだとそっけなく見える、こんなのでいいのかな、送ったあとに適当なスタンプも追加する?
絵文字とか…?
どの絵文字使ったらいいかもわかんない
……いいや!
《昼間はびっくりさせてしまって、ごめんなさい》
文字を追加して、さてあとは送信するだけ。
だけどわたしはなかなか送信のボタンをタップできない。
なんか変じゃないかな、誤字してないかなって何回も見直す。
もう5回くらい見直して何も変なところがないのは確認済み
でも、送る勇気が出ない