もう一度わたしと、恋をしてください。


ーー…ドン!


強い衝撃と、こめかみあたりに鈍い痛みが走ったと思ったら、次の瞬間わたしはアスファルトに両手と両膝をついていた。


「いっ…たぁ……」


思わず漏れた声に、周りがざわつくのを感じた


あれ、なんでわたし転んでるの?


「え、なに? コケた?」

「誰かぶつかったん?」


ださ、って笑う声がして、かあっと顔が熱くなる。


混乱する頭で、自分のいまの状況を頭の中で整理する。


ここは正門。ちょうど野球部の集団を避けて走り抜けようとしてたところで、確か誰かがぶつかってきて、

当然、転んだ人がいれば誰だって気になって見ると思う。

さっきからめちゃくちゃ視線感じる。

ださって笑ったのはたぶん、野球部の先輩。


わたし、いま結構恥ずかしい状況…?


最悪、最悪…! 本当に今日はツイてない…。


踏んだり蹴ったりって、こういうことを言うのかな


ちょっと泣きそうになりながら立ちあがろうとしても、膝もてのひらも擦りむいたみたいでうまく立てない。

もうやだ…。


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