喉から手が出るほど
「…ねぇ今、安藤くん由梨香のことチラ見したね」



コソコソと私に耳打ちしてきた柚。

柚に心を読まれたような気になって、私はむせた。



「ブッ…ゲホ、ゴッホ!」



「ちょっと大丈夫?どうしたの由梨香」



むせた私に驚いた那奈が、私の背中を擦りながら言う。

安藤くんもこちらを振り返って、私を見た。



「ちがっ…柚が…ゴホ、ごめんむせただけ!」



むせて涙目の私。
それを見てケラケラと笑っている柚。

くっそー、柚め!



「はい、佐野さんたちのとこ静かにねー」



情報の先生に軽く注意され、教室にクスクスと響き渡る笑い声。


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