喉から手が出るほど
初々しさ満載の柚の表情が、少しだけ羨ましく感じた。



「あ、そろそろHR始まるから席戻ろう!」



那奈と柚が席に戻ると、担任の篠崎先生が教室に入ってきた。

篠崎先生はサッカー部の顧問をしているので、しっかりと肌が黒くなっていた。


「おはよう、出席とるぞー!安藤ー」



ガラッ!!

先生の出欠確認の声と同時に、教室のドアが開いた。



「はい、安藤です!セーフ!?」



「なんだ安藤、夏休み明け初日から遅刻じゃないか、気をつけなさい!部活のペナルティ増やすぞ」



「まじか、崎サン許してくれーー」



ドッと教室に笑い声が響く。

大遅刻でペナルティを課された彼は安藤透也。

サッカー部で、遅刻癖がありズボラなところを抜けば、結構モテる。

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