あなたがいるだけで…失われた命と受け継がれた想いを受け止めて…
密着したからだから、聖龍の鼓動が伝わてくる…。
トクン…トクン…規則正しい鼓動の中、力強い想いが伝わって来るのをヒカルは感じた。
「傍にいて下さい。…俺が護りますから…」
だめ! 絶対にダメ!
そう思う中、何故か聖龍の言葉が胸にしみてくる…。
断らなくてはいけない…私は…
ギュッと拳を握りしめた時、ヒカルの唇にふわりと暖かい聖龍の唇が重なった…。
なにこれ…どうしてキスされているの?
驚きつつも唇から伝わって来る聖龍の暖かいエネルギーが、ヒカルの体に伝わって来るのを感じた。
好き…愛している…。
そんな強い想いが伝わって来て。
頑なだったヒカルの体も力が抜けた。
軽くついばむようなキスが、だんだんと激しく求めらえるようになり、スルっとヒカルの中に聖龍が入ってきた。
歯列を割って入っていた聖龍に、口の中全てを犯されてしまう…。
絡み合う感覚が心地よくて天にでも上る気持ちが込みあがって来る…。
息継ぎをするのも惜しむくらいに、キスを繰り返えされてヒカルは何も考えられなくなった。
気が付けばベッドの上に寝かされていた。
唇が離れて、ハッとなったヒカルは驚いた目で聖龍を見つめた。
覆いかぶさってきた聖龍。
だが、その目は潤んでいて今にも泣きそうな目をしていた。
「…キスしただけで、こんなに感動したの初めてです…」
私もそうだけど…言えない…。
ヒカルはスッと自分の気持ちに蓋をした。
「今日は、これ以上の事はしません。倒れたばかりですから、でも…」
ギュッと抱き着いて来た聖龍が、そっとヒカルの首筋に唇を這わせた。
「このくらいはさせて下さい。…」
このくらいって…やりすぎのような気がするけど。
首筋に唇を這わせた聖龍は、ヒカルの耳に甘噛みしてきた。
ちょっと…くすぐったいから…。
くすぐったそうな顔をしているヒカルを見て、聖龍は可愛いと思った。