あなたがいるだけで…失われた命と受け継がれた想いを受け止めて…
付き合ってって不倫じゃないけどね

 その後。
 里菜は経理で仕事にとりかかったが、イライラした表情のまま仕事をしていた。

 イライラをキーボードに八つ当たりしたり、椅子を乱暴に蹴ってみたり、まるで中学生の反抗期のような事をしている里菜を見て他の社員達は小さく笑っていた。

 部長の一も呆れて何も言えない状態だった。

 イライラしていると当然ミスも多く、注意ばかりされる里菜はプイッと怒って席を立ってそのままトイレに向かった。


「…城原ヒカル…。あの男の子供よね? …悪いけど、消えてもらうしかないわね。私と副社長の中を引き裂くのだから…」

 恐ろしい目をしてニヤッと笑った里菜は、携帯電話を取り出し電話をかけ始めた。

「もしもし? …ちょっと、仕事してくれない? …そうね、100万でどう? あんた、借金返せなくて困っているんでしょう? …そう、じゃあ詳細はメールで送るわ」

 電話を切った里菜はメールを送り始めた。

「これでいいわ。…あの男、ゲスな顔して生意気だわ」

 フフフと恐ろしい笑いを浮かべ、里菜はそのままトレイから出て行った。


 その後は里菜はイライラから気持ち悪い笑みに変わり、仕事を続けていた。

 
 その日のお昼休み。
 ヒカルは少し用事を済ませる為、外に出る事にした。


 お昼は総菜パンを買って、少し用事を済ませてオフィスビルへ戻ろうとヒカルが歩いてくると。

 数名のガラの悪い男達がヒカルを囲ってきた。

 チンピラのような服装に、金髪の長髪だったり、反りこみを入れているような連中で、耳にピアスをつけたりジャラジャラした格好をしている。

「お前、城原ヒカルだな? 」

 ガラの悪い目つきの鋭い金髪の長髪男がヒカルに尋ねてきた。

「そうですが、貴方はどなたですか? 」
「どうでもいいだろう? お前、俺の彼女に酷い事をしたらしいなぁ」
「はぁ? あなたの彼女ですか? 」

 キラッと光るナイフを取り出した男は、ニヤッと笑ってヒカルを見てきた。

「悪いがお前には死んでもらう! 」
 
 言葉と同時に男はナイフを手にヒカルに切りかかってきた!
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