あなたがいるだけで…失われた命と受け継がれた想いを受け止めて…
女性はまだ幼い感じで、どこか聖龍に似ている感じだ。
長い髪を金髪に染め、目つきはちょっと鋭い感じが受ける。
(…酷いわね、里菜さん。友達だと思っていたんだけど。突き飛ばして、事故に遭わせるなんてあんまりじゃない? )
「あ…あんた…香恋? 嘘でしょう? 」
(何が嘘? アンタが突き飛ばしたから、私、事故に遭って死んじゃったんじゃない。バカな事言わないでよね)
「何言っているの? あれは事故じゃないの。私が突き飛ばしたって証拠が、どこにあるの? 」
(事故の時、私が持っていたバック。今でも大切に保管されているの。それを調べたら、あんたの指紋出てくると思うよ。それに、私が使っていた携帯電話がまだ残っているの。そこには、アンタが後ろから突き飛ばしたところが写っているのよ)
「そんな携帯あるわけないでしょ! 唯一傍にいたアンタの弟の香弥だって死んでいるんだから。誰が持っているっているって言うの? 今更、そんなもの出て来ても、誰も信じないわ! 」
(香弥を殺したのも、アンタでしょう? )
「私が殺した証拠があるの? 香弥は自分で転落したのよ! 」
(違うわ! 香弥を突き落としたのは、アンタよ! )
ポン。
エレベーターが到着して扉が開いた。
里菜は急ぎ足でエレベーターを降りた。
すると…。
ギョッとした目で立ち止まった里菜の前に、青白い顔をしている大学生くらいの青年が立っていた。
その青年は奏弥に似た感じの青年である。
(…僕を殺しても、アンタの罪は消えない…)
「なんなの? 死にぞこないが揃って! 」
わ~っと叫んだ里菜は、鞄を投げつけた!
すると、バコ! っと青年の顔に直撃した。
青年は平然とした顔のまま含み笑いを浮かべた。
ドサッとその場に倒れた青年
だが…