あなたがいるだけで…失われた命と受け継がれた想いを受け止めて…
見かけよりもずっと華奢で、それでいてグラマーなヒカルを見るとそのままマシュマロの中にプルンと浮かんでいるサクランボを加えた。
初めての感覚にヒカルの体が大きく反応した。
お互いが産まれたままの姿になり、重なり合うと心地よい体温が伝わって来る。
「温かいね、愛香里の体…」
しなやかな聖龍の指先が、ヒカルの白くて雪のような体を優しく愛撫して行く…。
「…俺の事、兄貴だと思ってもいいよ…」
どうして? そんな事を言うの?
感じている表情のまま、ヒカルは聖龍を見つめた…。
「兄貴の事、今でも好きなら。俺を兄貴だと思えばいい。…それでも俺、愛香里を愛しているから」
「…貴方を…愛する事は、許してくれないの? 」
「え? 」
「今を見ているって…そう言ったのは、貴方でしょう? それなのに…どうして? 私には過去を見るように、言うの? 」
ヒカルの潤んだ目から、涙がこぼれて来た…。
それを見た聖龍の目も潤んできた。
「ゴメン…。ちょっと、嫉妬した…。愛香里に想われていた兄貴が、羨ましくて…」
「…私、幸せになってもいいですか? 」
「もちろん、良いに決まっているじゃないか」
「じゃあ、今を見ていいですか? 今、目の前にいる貴方の事を…」
スーッと、聖龍の手がヒカルの入り口に伸びて来た。
清らかな川の水で潤っているヒカルに入り口を、ゆっくりと聖龍の指先がほぐしてゆく…。
言葉の代わりにもっと俺を見てと、言ってくれているようで…
解されてゆく感覚を感じながら、ヒカルを吐息が激しく漏れて来た。
「俺を受け入れて…愛香里…」
強張ていた入り口がギュッと開かれたのを感じたヒカルは、聖龍をそっと見つめてゆっくりと頷いた。
清らかな川の水の中を力強く進んできた聖龍が、グイッとヒカルの中に入って来た。
狭いトンネルの中を入って来た聖龍を感じると、今まで感じたことがない激痛に似た痛みを感じたヒカルはギュッとシーツを握りしめた。
そんなヒカルの手をそっと聖龍は、自分の背中に回させた。
「俺に捕まって、一人じゃないだろ? 」
入ってくる聖龍を感じながら、ギュッと背中に爪を立てたヒカル。
聖龍の背中は見かけよりもずっと逞しく、それでいて優しい…。
密着した身体からは、トクン…トクン…と、聖龍の鼓動が伝わって来るのを感じる。
痛みのなか、力強い聖龍を感じているとだんだんと快楽に変わってゆくのを感じた。