夜這いのくまさん
「まず、結婚式で結ばれた夫婦とは初夜を迎えないんです。花嫁と花婿は村の一番奥の小屋にいれられます。外側から鍵を閉められて。それは勿論逃げられない様にするためです。夫が花嫁の婚礼衣装を脱がせ、肌着のようなものを一枚着せるんです。そして一番初めに入ってきた男に器の浄化として抱かれるんです」
ー---なんだそれは。
「村のカルト宗教みたいなものです。合法的な夜這いなんですけど、結構酷いみたいで。シェリー嬢自分が意図しない男に抱かれるのが嫌でキース団長に心のよりどころになってほしかったんじゃないですか?」
ー---お嫁さん、大事にしてあげてね。
自分が大事にされないことを知っていたからそんな言葉を吐いたんじゃないか?
ぽろり、と流れ出たのは彼女のSOSに気づけなかった情けなさからだ。
彼女は自分で頑張ることに慣れすぎて人に頼れなかったのかもしれない。
じゃないと10キロ先の図書館なんかいかないだろう。
彼女は本気で逃げるための準備をしていたんだ。
「なあ、いつ村長の息子の結婚式かしっているか?」
「そういえば、回覧板で周っていたような…明後日です」
「団長とひと暴れしないか?」
その一言で部下は身震いした。戦争時のときの野獣といわれたキースがそこに今にも襲い掛かってきそうな獰猛な眼差しをしていたからだ。
ー---なんだそれは。
「村のカルト宗教みたいなものです。合法的な夜這いなんですけど、結構酷いみたいで。シェリー嬢自分が意図しない男に抱かれるのが嫌でキース団長に心のよりどころになってほしかったんじゃないですか?」
ー---お嫁さん、大事にしてあげてね。
自分が大事にされないことを知っていたからそんな言葉を吐いたんじゃないか?
ぽろり、と流れ出たのは彼女のSOSに気づけなかった情けなさからだ。
彼女は自分で頑張ることに慣れすぎて人に頼れなかったのかもしれない。
じゃないと10キロ先の図書館なんかいかないだろう。
彼女は本気で逃げるための準備をしていたんだ。
「なあ、いつ村長の息子の結婚式かしっているか?」
「そういえば、回覧板で周っていたような…明後日です」
「団長とひと暴れしないか?」
その一言で部下は身震いした。戦争時のときの野獣といわれたキースがそこに今にも襲い掛かってきそうな獰猛な眼差しをしていたからだ。