夜這いのくまさん


「ほら、立て。まだ終わってないだろう?俺も、シェリーも」

アーレットは手を差し出しながら、無表情に見下ろしていた。お前も業を背負えと、その目は語っていた。俺もお前も同じ穴の狢だ。そう分からせるように強く腕をひいた。

寝やの小部屋は神殿のように白の布で飾られ、仰々しく厳かな雰囲気を醸し出していた。
塩をお互いの頭にふりかけられ、中に入る。大理石の台が真ん中に置かれていて、そこに寝転がって待つということだった。私は隙をみて、薬を口の中に仕込んだ。

「あとは十二時までごゆっくり」

そういって扉を閉められる。がちゃり、と鍵を外側からかけられるのを確認するとアーレットはシェリーの背中のジッパーを一気に下げた。不意をつかれて、後ろを振り返るともくもくと服を脱がしていく。

「ちょっと!?やめてよ」

「儀式の準備だ。俺の父がシェリーを抱くんだ、俺の父がお前を」
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