とある公爵令嬢の華麗なる遊戯〜私、絶対に婚約破棄してみせます〜
**第7幕**仮面舞踏会へ参加します(前編)
あ〜もう、私のバカ!
早く言わないと、どんどん言いづらくなるっていうのに。
邸宅に戻った私は、自室のベッドに横になり、深いため息をこぼしていた。
結局、あの後、盛り上がる2人に何も言い出せないまま、時間がだけが過ぎ…。
「今日は、そろそろ帰りましょうか」とアンが口を開いたのをきっかけに、その場はお開きとなった。
帰り際「じゃ、また後日作戦考えよう。俺もできるだけ協力するから」そう声をかけてくれたキースを思い出すと、胸が痛む。
あんなに親切にしてくれているのに、私ってば隠し事ばっかりだわ。
そう思うとやるせない気持ちになった。
その時。
「ん…?これって…」
ふと、テーブルの上にいくつかの封筒が置いてあることに気づく。
あぁ、パーティーの招待状ね…。
どうやら、部屋付きのメイドが私宛の招待状を持ってきてくれていたようだ。
「どれか1つくらいは顔を出さないといけないわね…」