とある公爵令嬢の華麗なる遊戯〜私、絶対に婚約破棄してみせます〜
書き終えた内容を見返して、私は「うーん」と首をひねる。
ちょっと淡々としすぎ…かしら?
あまりにも事務的な手紙に、自分が書いたにも関わらず、苦笑いが浮かんだ。
もう少し可愛げがあるように書くべき?
とりあえず、ロイ・シェラードが舞踏会来ないと話にならないものね…。
そう思い、私は頭を痛めつつ、最初に書いたものから色々試行錯誤した。
その結果。
【来週、オルレイア家主催の仮面舞踏会で大事なお話があります。ロイ様もぜひ、参加なさってください。お会いできるのを楽しみにしています。フローラ・キャンベル】
という内容で落ち着いた。
「できたわ…」
1番目に書いたものより幾分かは、マシだろうと、そのまま封筒に入れると私は小さくため息をつく。
ハァ…。難しいわね。これなら、キャンベル家の書類でもまとめてるほうが楽よ。
慣れないことをして、どっと疲れた私はテーブルの上に書き終わった手紙を置いたまま、ベッドに移動する。
…明日、メイドに持っていってもらわないと。
そんなことを考えながら、私はソッと目を閉じた。
街に行って疲れていたためか、徐々に眠気が襲ってくる。
そして、私はいつの間にか、意識を手放していたのだった。