とある公爵令嬢の華麗なる遊戯〜私、絶対に婚約破棄してみせます〜
「フローラ、久しぶりだね。まさか、君から仮面舞踏会に参加したいなんて言うとは思わなかったよ。ミリアに言われた時は逆じゃなくて?って思ったし」
「あら?エイデン…それはどういう意味かしら?」
ミリアに凄まれ、苦笑いを浮かべるエイデン。
しかし、ちゃんとパートナーとして参加してくれているあたりあいかわらず、仲良しなようで安心した。
「あ、ミリア、エイデン。紹介するわ。今日、私のパートナーをしてくれるナイトと、メイドのアリスよ」
ミリアには、キースとアンについては話しているが、エイデンにはそこまで詳細を話していないため偽名の方で紹介をする。
緊張した面持ちで、会釈をする2人に対して「まぁ…!」とミリアの瞳が輝いたのを私は見逃さなかった。
ミリアは、昔、キースにもアンにも会ったことはあるから懐かしいのだろう。
「はじめまして。フローラから大まかな話は聞いているわ。私はミリア、こっちは私の婚約者のエイデンよ。今日は2人共フローラのためにありがとう。友人としてお礼を言わせて?」
「あ…。は、はい」
「いや、お礼なんて…」
サッと2人の手を取り、笑顔を向けるミリアにキースとアンは戸惑いを隠せない様子。
「ほら、ミリア。2人が困ってるよ。僕らは今日はサポートなんだから。あと、そろそろ会場に行かないと舞踏会始まっちゃうよ」
おどおどしている2人を見かねて、エイデンがフォローに入り、ミリアににそう告げた。